HSC(ひといちばい敏感な子)とは?現役ママが感じる特徴と接し方

HSC(ひといちばい敏感な子)

みなさんHSC(ひといちばい敏感な子)という単語をご存じですか?

HSCは「神経質」「気にしすぎ」「シャイ」「大げさ」といったように
ネガティブな印象を持たれがちですが、
ポジティブな面を理解することでとっても素敵な特性であるということに気付かされます。

今回は実際にHSCの息子を持つ私がHSCを知ったきっかけや、HSCの特徴、
後半ではより特性を活かせるようなHSCとの接し方のコツについて解説したいと思います。

HSC(ひといちばい敏感な子)を知ったきっかけ

2歳になった息子シュボがしばしば癇癪をするようになり、
「育て方が悪いのかな・・・同じ境遇の人はいるのかしら・・・」
というちょっとした思いでインスタを徘徊していたところ、
たまに目にしていた「HSC」という単語。

最初は「なんかの病気のことかな?」「うちは関係ない!」
と思っていたのですが、
うちの子シュボの感情の起伏が激しいことで夫婦で悩んでいた時期でもあり、

「もしかしたらHSCか…?」

と思って少し調べてみるとシュボに特徴が当てはまるような…

気になって書店の育児本コーナーをチェック
思い切って本を購入し熟読したところ、

結論、シュボに特徴がめちゃくちゃ当てはまりました。

それからは本やネットでHSCに関する情報を集め、
息子への接し方を見直すことでだいぶ親子共々心の負担が減ったように感じました。

知ってると知らないとでは本当に大違いなのです。

皆さんもHSCってなに?聞いたことあるけどよくわかんないな?
という方は以下のHSCの特徴について確認してみてください!

そもそもHSCとは?

HSCとは「Highly Sensitive Child」の頭文字をとった略語です。
アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン氏が提唱した概念で、
「ひといちばい敏感な子」という意味を持ちます。

アーロン氏曰く、世の中の5人に1人が実はHSCなのです。

病気ではなく、生まれ持った性質。(←ここめちゃ大事)

生まれつき感受性が強く、敏感で繊細という特徴を持つ子ども。
発達障害とは異なり持って生まれた気質ですが、
敏感さゆえに親は育てにくさを感じることもあります。

大事なことなので2回言いますが、

病気ではなく、生まれ持った性質です!

なので自分の子がHSCと分かったとしても落ち込む必要はなく、
むしろ正しい接し方をすることで才能を最大限発揮することができる、
素晴らしい性質なのです。

ちなみに大人になるとHSP(Highley Sensitive Person)として定義されます。

HSP(繊細さん)については最近広く知れ渡るようになり、
メディアやSNSで見かけることもしばしば。

ちなみに私もHSPの気質があります。

HSCのチェックリスト

HSCの特徴をご紹介する前に、
HSCのチェックリストについて触れさせていただきます。

うちの子もとても繊細さで思い当たることは多いけれど、
実際HSCなのかしら?
と思う方は多いのではないでしょうか。

そんな方のためにHSCという言葉を生み出した
心理学者のアーロン博士が親がある程度判断できるようにチェックリストを設けております。

気になる方は以下チェックしてみてください!

  • びっくりしやすい
  • 服のタグや縫い目、肌ざわりなど、身に着けるものの不快さを訴える
  • サプライズプレゼントなどをしても、おおむね喜ばない
  • 厳しく叱ったり罰を与えるよりも、穏やかに諭すほうが理解しやすい
  • 私の心を読んでいるように感じる
  • 年齢にしては難しく複雑な言葉を用いる
  • 微妙に異なる匂いに気がつく
  • 冴えたユーモアのセンスがある
  • とても直感的に見える
  • 日中興奮すると、夜なかなか寝つけない
  • 大きな変化に対応できず、普段できていることもできないことがある
  • 服が濡れたり汚れたりすると、すぐに着替えたがる
  • 質問が多い
  • 完璧主義
  • 他者の悲しみや苦しみによく気がつく
  • 静かな遊びを好む
  • 深く考えさせられるような質問をする
  • 痛みに対してものすごく敏感
  • うるさい場所が苦手
  • 何かを動かしたとか、人の見た目の変化など、ささいなことに気がつく
  • 高いところに上る前にまず安全かどうかよく確かめる
  • 見知らぬ人が傍らにいないほうが、うまくパフォーマンスできる
  • 物事を深く感じる

    <参考>長岡真意子 「敏感っ子を育てるままの不安がなくなる本」,秀和システム,2019年6月25日

いかがでしたでしょうか?

アーロン博士は、こうした特徴に13項目以上当てはまると
その子はおそらくHSCであるとしております。

また、たとえ13項目以下でもとてもよくあてはまる項目が数個あるのであれば、
やはりその子はHSCである可能性が高いとしております。

ちなみにうちの息子シュボは15項目当てはまり、
すぐにHSCであるということに気づかされました。

なお、娘のマユはまだ2歳ということもあり発語も少ないせいもありますが、
1項目しか当てはまりませんでした。
かなり性格差が表れるようです・・・!

HSCの4つの特徴

次に実際にHSCの4つの特徴について紹介します。

  • D (depth)=深く考える
  • O (overstimulation)=過剰に刺激を受けやすい
  • E (empathy &emotional)=共感力が高く、感情の反応が強い
  • S (subtlety)=ささいな刺激を察知する

もう少し各特徴を深ぼっていきましょう。

D (depth)=深く考える

例えば友達の家に行ってイチゴを出されたら、
普通の子供なら
「わーい!」
と喜んで食べると思います。

ところがHSCの子だと、

「どこで買ったんだろう?」
「一人何個ずつ分けるのかな?」
「イチゴは高いのかな?」

など考えてしまい動作が一歩遅れ、
遠慮がちな子と見られたりします。

全てのHSCの子がこの行動をとるわけではないですが、
普通の子供ならそこまで考えないよね、
ということを深く考えてしまうことが

「深く考える」

という性質です。

そういう性質から少し大人がするような深い質問や、年齢の割に大人びたことを言ったりします。

O (overstimulation)=過剰に刺激を受けやすい

大きな音が苦手だったり、暑さや寒さ、自分に合わない靴、
濡れた服やチクチクする服に文句を言ったりします。
または痛がりです。

楽しいはずのイベントでも、すぐ疲れてぐったりしたり、
興奮するようなことがあると、目がさえて眠れなくなったりします。

また、強い罰を与えるより、穏やかに言って聞かせる方が効果的です。

上記の通り過剰に刺激を受けやすいため、すぐ刺激でいっぱいいっぱいになってしまうのが

「過剰に刺激を受けやすい」

という性質です。

E (empathy &emotional)=共感力が高く、感情の反応が強い

物事の一つ一つをふかくかんじとり、涙もろく、
人の心を読むことに長けています。

完璧主義で、些細な間違いにも強く反応します。

保育園/学校の友達や家族、初めて会った人でも
辛い思いをしている人の気持ちが手に取るようにわかります。

時には動物の気持ちにも共感して、
ホッキョクグマの子供が温暖化のためにおぼれて死んでしまうことを知って心を痛めます。

このように人や動物の感情に強く共感してしまうのが

「共感力が高く、感情の反応が強い」

性質なのです。

S (subtlety)=ささいな刺激を察知する

小さな音、かすかなにおい、細かいことに気づきます。

人の髪型や服装、場所の小さな変化に気づきます。

変わったにおいがすると近づくことができなかったり、
遠くの鳥の声や、飛行機のエンジン音が聞こえたりします。

人が自分を笑ったことや、逆にちょっとした励ましにも気づきます。

また、体内の刺激にも敏感のため、薬の作用が効きやすかったり、
ちょっとした刺激で大げさな反応をしたりします。

そのような親からすると「大げさだな~」と感じるような感覚を持っているのが

「ささいな刺激を察知する」

性質です。

うちの息子のHSCエピソード

感情の起伏が激しく、よく癇癪を起す息子の写真。
泣くシュボ

特にうちのシュボはE(共感力が高く、感情の反応が強い)の気質が強いです。

普段から感情の起伏が激しく、
ちょっと注意しただけで大げさに傷ついたり泣いたりします。

時には謎の地雷を踏んでしまい、
癇癪を起してしまうのもしばしば。
外出先の飲食店や電車などで勃発すると本当に最悪で、
親の方も頭がパニックになるということが良くありました。。。。

最近は落ち着いてきましたが、シュボが2歳の時はこれらの症状に本当に悩まされており、
病院に行くかもだいぶ迷ったのですが、
「HSCの性質であり、病気ではない」
ということを本を通じて理解でき、親としてだいぶ心の不安が解消されたことを覚えております。

また、シュボは他人の細かな感情の変化に気づくのが得意です。

笑顔で楽しそうにしている息子の写真。
笑顔のシュボ

例えば夫婦でケンカをしていると空気を読んで黙ったり、
「ママ大丈夫?」
と声をかけたりしてくれる優しい一面ももっています。

このようにHSCは悪いことばかりではなく、
優しいところ、よく気が付くところ、正義感が強いところ、
繊細なところ、創造性があるところ
などなど素晴らしいところをたくさん持っています。

こちらの記事でHSCシュボが2歳だったころの特徴についてつづっております。
もしご興味あればご一読ください。

HSCとの接し方 5つのコツ

HSCの特徴からわかるように彼ら/彼女らは常に5感をフル回転させているのです。
そのため刺撃や情報が強すぎたり多すぎたりすると
「もう限界!!!」
となってしまいます。

そんな時「他の子たちと違う…」となるのではなく、
以下の点に気をつけて接していくと良いと思います。

HSCのことを知ることから始める

「うちの子もしかしたr HSCかもしれない…」となった際は
まず保護者の方がHSCについてしっかりと理解することが大事です。

特徴を理解するだけで少しずつ子供への見方や接し方が変わってくると思います。

ネットで情報を集めるでもよいですし、
最近はHSCに関する認知度も高まってきましたので、
いろんな本も出版されております。

ちなみに私が最初に買った本は
「HSCの子育てハッピーアドバイス」
でした。

適度にイラストがあしらわれており、
解説も例を踏まえておりとても分かりやすい本でした。
数時間あれば読み切れます。
迷った時は立ち返り参考にしています!
ちなみに後から知ったのですが、
著者の明橋先生は日本にHSCという概念を広めた第一人者とも言われております。

HSCの子育てハッピーアドバイス

自己肯定感を育む

HSCは敏感な気質から、
他の子では感じ取れない親の些細な悩みや心配な気持ちを感じ取ります。

そこから
「自分のせいで親が心配している…」
と心を閉ざす原因になってしまいます。

そうならないためにも
普段から目いっぱい褒め手上げて、たくさん甘えを受け止めてあげて、
自己肯定感を育んでいきましょう。

周りの大人からは「甘やかしすぎでは…」と思われるかもしれませんが、
関係ありません!笑

私は「甘えを受け止めること」と「甘やかし」の境界線として、

  1. 大人都合で手を出し手伝っていないか
  2. 不必要に買い与えていないか
  3. 悪いことをしたのにスルーしてないか?

ということをチェックしております。

ここさえクリアしていれば最大限甘えを受け止めて、
「自分は価値のある人間なんだ、自信を持っていいんだ」
ということを子どもに理解してもらい、
結果として自己肯定感が伸ばせればなと考えております。

「命令形」より「質問系」を使う

子どもがどのような行動を起こすかは、
大人の声掛けで一つでだいぶ変わってきます。
感受性が豊かなHSCならなおさらです。

普段生活している中で無意識に
「おもちゃを片付けなさい!」
「寝る前は歯を磨きなさい!」
と命令形を使ってるのではないでしょうか?

我々大人が命令されるのも嫌悪感を抱くと思うのですが、
HSCにとっても同じです。

命令形ではなく、
「おもちゃであそんだ後はどうするんだっけ?」
「寝る前は何をするってママと決めたっけ?」
といったように質問系を使うことで
「あぁ、どうすればいいんだっけ?」
と思考しまずは受け止めるようになり、
正しい行動をとってくれることが多くなります。

「禁止」ではなく「できること」を伝える

うちの家での様子でよく見受けられるのですが、
3歳HSCの息子シュボと1歳の妹マユが遊んでる中で
シュボの気に食わないことがあり、マユをぶってしまうことがよくあります。

つい先日はプラレールのレールで妹マユをぶっておりました。

そんな時咄嗟に
「ぶっちゃダメでしょ!マユちゃんがかわいそうでしょ!」
と怒ってしまい、
シュボが大泣きをするといったことがありました。

そんなときも咄嗟に言葉を発してしまうのをぐっとこらえ、
「禁止すること」「してはいけないこと」を直接伝えるのではなく、
「できること」「正しい使い方」などを伝えるようにしましょう。

例えば、
「レールは電車を走らせるために使うんだよ。マユちゃんと一緒に遊ぼうね」
と目を見ながら語り掛けるように伝えます。

「ぶっちゃダメでしょ!」
と強い言葉で頭ごなしに言ってしまうと
反発・逃げるといった行動をとりがちです。

感受性が豊かなHSCならなおさらです。

「騒いだらダメ!」→「ひそひそ声で話そうね」
「おもちゃは買いません!」→「今度じいじに買ってもらおうね」
「早く寝なさい!」→「いっぱい寝たら明日また元気に遊べるよ」

このように伝えると感受性豊かな敏感な子どもは
素直に受け入れて正しい行動がとれるやすくなります。

適度に休息を取るよう意識する

前述の通りHSCは何事にも五感をフル回転して接しております。

そのため悪いことはもちろんのこと、楽しいことに接している時も
多くの情報を受け止めているのです。

それがきっかけで体の疲労だけでなく心も疲労してしまうので、
意識的に多めに休息を取るようにしましょう。

特にお出かけで人混みの多いところに行った時などは
ひといちばい多くの影響を受けてますので、
無理は禁物です!

HSCの理解を深めるのに役立つ文献など

これまでHSCの特徴や接し方のコツについてご紹介いたしました。
しかし、こちらに記載している内容以外にも必要な情報はまだまだたくさんあります。

参考までに過去に私がHSCの理解をするにあたって読んだ本をご紹介いたします。

「HSCの子育てハッピーアドバイス」
明橋大二著,1万年堂出版 ,2018/6/19

HSCの子育てハッピーアドバイス

「敏感っ子を育てるままの不安がなくなる本」
長岡真意子著,秀和システム,2019/6/25

敏感っ子を育てるママの不安がなくなる本

また、インスタグラムでHSCに関する情報を発信している
「みーママ」さんもよく拝見しております。
とても参考になるのでおすすめです。
「HSC みーママ」で検索すれば出てくると思います!

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以上、HSCの特徴と接し方などについて解説させていただきました!

みなさんももしお子さんが
「HSCかも…」
と思った際は特に悲観せず、
むしろ子供が持っている良いところに目を向けていくのが大切なのではないでしょうか。

一緒に子育てを楽しんでいきましょう!

<参考文献>
長岡真意子 「敏感っ子を育てるままの不安がなくなる本」,秀和システム,2019/6/25
明橋大二 「HSCの子育てハッピーアドバイス」,1万年堂出版 ,2018/6/19

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